こんにちは。愛花です。
今回は竺仙です。
「浴衣といえば竺仙」ですが、竺仙って何がすごいんでしょう?どうして「憧れの竺仙」として有名なんでしょうか?そもそも竺仙って何ですか?
浴衣もピンからキリまでありますが、「質の良い浴衣が欲しい」「ちょっとあの浴衣は普通の浴衣と違うな」「浴衣としてだけでなく街着としても使える夏用の着物が欲しい」とワンランク上の浴衣や夏着物を探す時、竺仙ナシには語れません。
下記クリックでお好きな所へどうぞ
竺仙の技術とこだわり
竺仙って何ですか!?
竺仙とは、染呉服の老舗です。
江戸時代から続く老舗
創業1842年、江戸時代に武士が来ていた裃(かみしもの)に見られる柄(定小紋)が、職人が増えた事により柄に広がりが出て、京都の小紋と区別するために「江戸小紋」ができました。
昔の歌舞伎役者によってこの世に広く名を広め、江戸小紋の竺仙としての地位を確立ることができたわけですが、創業以来の高い技術とこだわりは他では味わう事の出来ない一線を画した作品となっております。
職人による多彩な染色法
長板中形
江戸時代の浴衣制作技法で、型付けした表地と裏返して糊付けした時に柄がピッタリ合っていないと柄がボヤけてしまうという息の抜けない確かな技術を要します。
注染
明治時代に始まった染料を注ぎ込む注染という技法です。木枠の型紙を置いて防染糊付けた反物の上からじょうろで染料を注いで浸透させます。洗濯に強い染色法です。
引き染
型染めの時に使われる刷毛染めですが、7mに貼った生地の上に型紙を乗せ防染糊を付けた後、引き染をします。
先染め
注染や引き染は反物の上から染めるのに対して、先染めは反物になる前の糸を先に染めて作ることで縞や格子などの柄を反物に出す事ができます。
ローケツ染
注染のように反物に糊置きをしてから、生地にロウを付着させてから染色します。ちなみに私の住むマレーシアでもローケツ染があって、その生地から出来たバティックのシャツはフォーマルウエアーとして着られています。
しごき染
染料を混ぜた糊をヘラで生地全体に付けて、染料を定着させる為に生地を蒸して染めます。
これらの多彩な染色を手付け職人が一つ一つ丁寧に仕上げ、機械に任せずに仕上げています。気候や湿度、生地の状態に合わせて微妙な調整ができるのは職人ならではの技です。
竺仙ならではのデザインの細さや美しさはこうした職人さんの手によって支えられているのですね。
こだわりの生地
最もお手頃価格のコーマ生地
ボイル撚りをしてシャリ感を出している綿紅梅小紋
綿100%で先染めされている紬糸で作った生地で出来た奥州小紋
節のあるネップを織り込んで作られた綿糸で作られた綿紬
通常より多く撚りをかけシャリ感を出し絽目の大きさを変えたオリジナル綿絽
オリジナルカラーで染色した人気商品絹紅梅小紋
毛羽立たず目がしっかり詰まって収縮しにくいオリジナル織りの綿芭蕉
手ぬぐい生地でも一番上等な特岡
染色技術だけにとどまらず、オリジナルで生地まで製作するのはこだわりの証と言えます。浴衣や夏着物だけでなく、手拭いや風呂敷でも竺仙の美しさを味わえるのは嬉しいですよね。
竺仙を初めて購入する場合
上手な購入の仕方
竺仙のプロのアドバイスで本店購入
反物を当てて竺仙浴衣選びのプロからアドバイスを受けながら自分に一番似合う物を選ぶ事ができます。仕立ても一緒に頼めば生地を知り尽くした方達の手によって行われるので、生地の洗濯縮みを計算した上での仕立てをしてもらえます。お手入れの仕方もしっかり聞いておくといいですね。
ですが、竺仙はメーカーですので呉服屋から発注された物を受注生産しているので、在庫があまりない場合もあります。
ショールームに行かれる気持ちで行って、自分に似合う生地がどんな感じか知るという目的で行かれると良いです。
高級百貨店や呉服屋で早目に購入
全国の高島屋や大丸など有名百貨店にて購入可能です。
やはり直接反物に触れて、自分に当てれる状態で買ったほうが確実です。
GW明けくらいから浴衣は出始めるので、仕立てされる場合は早目にしないと間に合わない事もあり、着るのは来年という事にもなりかねません。買った年に着たいのであれば手縫いかミシン仕立てにもよりますが仕立てに1ヶ月~混み合う時期なら2ヶ月くらいかかることもあります。
どうせなら種類も豊富で早目に仕立てて何度も着たいですよね。ですので百貨店で買う場合は5月から探し始めましょう。そうすれば、その年から十分に楽しめる上、早目に作れば帯や小物を選ぶのも余裕を持って選ぶ事ができます。
竺仙クラスになるとセールになりにくいですが、一般的に7月終わり~8月終わり頃から浴衣セールになるのでお目当ての物がその頃にお値打ちになっていたらラッキーですね。チャンスを逃さないようにしましょう。
ネット購入でも失敗しないためには
ネットで購入する場合のポイントは、自分の好み、着る用途と値段を決めておくことです。
そうしないと、「コレいいわ」「アレもステキ」となって目移りするだけで決められません。
色や柄の好み
自分の好みの色や柄を決めておくだけでも、他の商品に惑わされる事が少なくなります。帯が既に決まっているなら、その帯に合わせて選ぶのも決めやすいですね。
着るシチュエーションも考慮
着る用途は、ただ浴衣として着たいなら綿コーマ生地でもいいですが、夏着物としてお出かけにも使いたいのであれば絽や綿紅梅を選んだ方が良いという事になるので、使う時のシチュエーションも決めておくと後悔しません。
予算オーバーに注意
「欲しい物が見つかっても予算オーバーなら買わない」くらいの強い意志が無いと、ネットで探す場合は良いものを見るとどうしてもそれが欲しくなってしまい財布のヒモがゆるんでしまいます。
帯や小物も購入予定の場合は浴衣だけで予算オーバーにならないように気をつけましょう。
上限を決めてそれ以上の物はチェックリストに入れないようにがポイントです。
気になる価格
反物1本綿のコーマ生地で3万円~となります。
絽や紅梅の夏着物として着れるものだと値段が高くなっていきます。
オークションなどで運良くお値打ちに買える事もあると思いますが、サイズの確認をして間違わないように気をつけましょう。
仕立ては1万円から1万5千円程が相場です。
竺仙を着られるなら、帯や履物、バッグもこだわりを見せたいですので、余裕を持った予算で探されるといいですね。
まとめ
竺仙の創業以来の染色技術の高さと生地に対するこだわりがお分かり頂けたと思います。浴衣アイテムは500以上、柄も約1000柄あるので、自分にピッタリのこだわり浴衣が見つかる事間違いなしです。
購入する際は、本店にてアドバイスを受けてから、百貨店で数が出回る5月に反物を決めて(遅くても6月には決めておきましょう)シーズン中何度も着るのがオススメです。
竺仙のデザインは流行り廃りがなく長い間楽しめますが、購入したら早く着たいですよね?夏の終わりのセールで小物や帯のお買い得を見つける事もできます。
良いものだから最初の1枚から失敗したくないもの
十分に期間と金額に余裕を持って、「最初の竺仙」を選んでください。
それではまた次回。